2009/11/08

第二回ジオメディアサミット西日本、満員御礼!

第二回ジオメディアサミット西日本、開催報告です。

11/7(土)の10:00-12:00、ジオメディアサミット西日本を開催いたしました。

今年はジオメディアサミット関西からタイトルを改め、西日本でユニークな「ジオ」系の取組みをされている方をお招きし、西日本から発信する、というテーマで行いました。

運営に参加して頂いたのは、ノーリツ鋼機の和田さん、沖電気の福居さん、それに元祖ジオメディアサミット発起人、シリウステクノロジーズの関さん。それから、場所の手配等もろもろは、FOSS4G(OSGeo)の林さんに多大なご協力を頂きました。「今年もやりましょう」という話が出たのが8月下旬。そこから、運営メンバーによる講演者集めがスタートし、申し込みサイトができたのが10/7.なんともバタバタでした。

会場はKOF2009(関西オープンソース2009)の会場内で、FOSS4Gがセミナー会場として借りている部屋を、この日の午前中お借りしました。Imedioというインキュベーション施設の中の一室で、各種セミナーで来ることがあります。FOSS4Gさん、どうもありがとうございます。つい先日行われた第四回ジオメディアサミットでも「ジオメディアサミットと、FOSS4Gと、KOF2009と、1日で3倍楽しめます!」と宣伝してきたので、昨年より多く人が来て頂けるといいなあ、と思いながら当日を迎えました。

当日、開始10分前、まだ人は少ないが昨年よりは人が多そうな気配。講演される方にPCの接続テストなどをして頂いてるうちに、早10時に。プログラムが全然余裕のない組み方でしたので(すみません・・)10時きっちりにスタート。
私、位置情報ロカポ(ロケージング)の上田が司会を担当させて頂きました。




まずは、ジオメディアサミットおなじみの顔、また場所をお借りしているFOSS4G(OSGeo)の日本代表もされている、オークニーの森さんよりご挨拶頂きました。「技術の足腰鍛えてますか?」というメッセージ。うーん、普段便利はAPI使うだけの私としては耳が痛いところ・・・。




その後、ジオメディアサミットの発起人、シリウステクノロジーズの関さんにジオメディアサミットについて解説して頂きます。ここでトラブル発生!PCがプロジェクターに繋がらない!、、がそこは、さすが関さん。涼しい顔で「喋りオンリー」で対応されていました。





さて、ここからいよいよ講演のスタートです。基本的にはライトニングトークで、5分枠に収まらない場合は10分枠ということで、講演をお願いしていました。まずは10分枠からスタート。それでもスピード感たっぷり。

最初はデュプロの松下さんによる
Geolocation Finder ~紙地図とペンによる位置情報取得~」
【写真お持ちの方、ご協力下さい】
デュプロさんはESRIのイベント等でも展示されているのでご存知の方も多いかもしれません。紙地図に赤ペンでマークしたものをスキャニングすることで、緯度経度を取得するという技術。地震の倒壊家屋の調査や、小学校区のハザードマップなど、調査員が特別な端末を持たずに調査できるというアイデア。場所特定というとすぐにGPSとなりがちですが、あえて誰でも使える紙とペンという発想がなかなかおもしろいです。


次は沖電気工業の瀧(たき)さんによる
ブログに含まれるキーワードのヒートマップ: 位置表現抽出・管理サービスLocoStickerの新機能 」 ~講演資料はこちら~
【写真お持ちの方、ご協力下さい】
LocoStickerの技術を活用して、あるキーワードのヒートマップを描きます。たとえば「うどん」というキーワードのヒートマップは香川が「熱い」。「アホ・バカ分布図」もすぐできる。1分ほど時間が余ったので、会場から希望のキーワードを受付、即興デモに。「ジオ」というキーワードで検索すると、なぜか北九州のみ。これは謎だ。「インフルエンザ」では東京と大阪がやはり多く、大阪の方が少し「熱い」。流行ってるもんなー。


次は「出前館」を運営する夢の街創造委員会の葭田(よしだ)さんによる
「出前館と地図メディアについて」      ~講演資料はこちら~
ネットで注文を受付け、リアルに出前が行く。最短30分!の地域密着型のEコマース。「ラーメンはのびるとダメ」。それはそうですね。今後はGPS等活用して、お花見やバーベキューの席(住所の無いところ)へお酒や食べ物を届けるようになるとか。便利!



次は、大御所ですね。Yahoo!ジャパンの冨川さんによる
「Open Local Platform」
なぜYahoo!さんが「西日本」?というと、Yahoo!さんは大阪と名古屋でYahoo!地図の開発をされているということで、冨川さんは大阪でのご勤務ということでお願いしました。
第三回ジオメディアサミットの時に、Yahoo!の村田さん、佐藤さんから発表があったものの、その後どうなったのか?と誰もが興味深々だった「Open Local Platform」。来年1月頃に出るそうです。地図API、拠点情報API、大規模ストレージからなり、ヒートマップ(沖電気とカブっていておもしろい)や3D鳥瞰図なんかも。ゲーム機に例えて、「カセット」を差し替え/追加することでいろいろな拡張機能を実現する。ヒートマップは飲食店で検索したところ、会場の大阪南港ATC付近は「寒い」ヒートマップに。確かに食べるところ少ない!来年の公開が楽しみです。


次は前半の最後、こちらも大御所、Googleの石原さんによる
「Updates for Google Maps API
実は石原さんは前日の11/6にKOF2009で「Open Social」について講演されることになっているのを、KOFのスケジュールで見つけ、無理に無理をお願いして来て頂きました。で、なぜGoogleが「西日本」?かというと、石原さんが神戸のご出身ということで。
つい最近リリースされた「Google Latitude」についての話をお願いしたのですが、石原さんはご担当外で、社内規則で話せないとのことで、内容はGoogle Static Map API V2 とGoogle Maps APIの利用規約のFAQについて。
Static Map API V2 の特徴は、書式が簡単になったこと、ポリゴンが指定できるようになったこと、ジオコーディングができるので地名での指定が可能になったこと、エンコーデッドポリラインが使える、など。Google Maps APIの利用規約については、自分で読んで判断してくださいとのこと。FAQのページができたのと、そのなかから代表的なものをクイズ形式で。
Q.無料の会員制サイトで会員専用ページでGoogleMapsを使ってもよいか。
A.Yes ただし誰でもすぐに会員になれること、入会が招待制や審査制のサイトはNGなので有料版(GoogleMapsプレミア)が必要。
Q.アフェリエイトで利益を得ているサイトで使ってよいか
A.Yes ただし、GoogleMapsに広告が表示される可能性もあるので、競合の広告が表示されると嫌だ、とか言う場合は有料版へ。
Q.デスクトップアプリケーションからGoogleMapsを使っても良いか
A.Yes ただし、誰でも自由にダウンロード・インストールできるものであることと、JavaScriptを経由した正規の呼び出し方をすることが前提。


このあと、5分の休憩にはいりました。すでに充実感たっぷり。熱気もたっぷり。
途中から満席になり、ついに立ち見の方まで出ました。嬉しいですね。

さて、後半です。

立命館大学の塚本さんによる
「京都の古地図にみる空間を描き写す先人達の工夫」
地理学と歴史学のクロスオーバージャンルのHistoricalGIS。京都の古地図、長方形の中にどのように情報が詰め込まれているか、というアカデミックな内容です。拡大されているエリア、縮小あるいは割愛されているエリアを分析して、最小限の幾何学的補正で現在の地図へ。これを各時代ごとにいろいろな方法で見せられていました。
実は私がやっている「ジオどす」の関係で、立命館大学にお邪魔したとき、このプレゼン以外にもおもしろいネタが沢山ありました。本当は他のネタもやって頂きたかったのですが、またの機会にお願いしよう。。


ここからは5分枠のライトニングトークで、さらにスピード感アップ。

ATR-Promotionsの中川さんによる
「MapStroll -- イラストマップで簡単&楽しくジオ」 ~講演資料はこちら~
こちらはイラストマップの上でナビゲーションが展開できるというもの。例えばテーマパークのイラスト地図上で、子供が何処に居るとか、どの道を通ればいいかとか。斜めから書いた鳥瞰図みたいなものもにもマッピング可能。そのほか、MapStrollというiPhoneアプリを出す予定。古地図上でいろいろ遊べる。楽しそう・・・




次は立命館大学の桐村さん、、、の予定が突如マシントラブル発生!
急遽、発表順序を入れ替え、和田さんにタッチ。


ということで、ノーリツ鋼機の和田さんによる
「システム稼働状況表示システム」 ~講演資料はこちら~
実際に稼動している機械をジオで管理しているという事例。稼動状態が青(良好)とか赤(トラブル)とかで示され、サービス要員がメンテナンスに回るときに、効率よく近くのトラブルも対応できるシステム。ジオメディアというとB2Cみたいなイメージもありますが、GISはこういうB2Bとか社内での利用が一番堅実な印象がありますね。




次はマシントラブルから復旧して、立命館大学の桐村さんによる
「建物の名前にみる地域名称 -住宅地図データの有効活用-」 ~講演資料はこちら~
地名の強弱というおもしろい視点です。例えば「四条」という地名(知らない方向けに補足すると、四条通りというのは京都のメインの通りの一つで、繁華街やビジネス街が最も多いメジャーなところです)を含むビル名やマンション名の分布。一本北の三条通りと、一本南の松原通りにまで「○○四条」みたいな建物名が広がって、無理をしている。三条側より松原側の方が無理をしている数が多い。三条も四条ほどではないが有名。松原はちょっと弱い。地名と賃料の関係とか、結構おもしろそう。

続いて、シンクの長尾さんによる
「隙間を埋める、無駄をなくすジオメディア活用法」 ~講演資料はこちら~
タイトルからでは分かりにくいが、ジオメディアのサービスで暗黙知を共有するイノベーションを起こす場を作ろうというお話。おーーー「野中郁次郎」先生だー。ジオメディアサミットでこの名前を聞くとは思っても見なかった。一応、私、経営学をやっておりましたので、この瞬間、目と耳が釘付けに!
空いた時間などに勉強会や専門家をマッチング。おもしろいなとおもったのは、売り込みをしないとか、握手をするとか、普通はコミュニティで自然発生するようなルールを最初に提案してしまっている点。出会い系になってしまわないかちょっと心配ですが、これが機能すると本当にいいですよね。

さて、ここから最後二本のLTにはリクルートの寺井さんが開発された「パパパコメント」を導入!これは先月のマッシュアップキャラバンin大崎というイベントでLTをされているのを拝見して、一度使ってみようと思っていました。Twitterのようにつぶやいたコメントがリアルタイムでプレゼン中の画面に流れるというもの。さて、どうなりますか。













とういことで、次は
沖電気工業の福居さんによる
LocoStickerでイベント会場とクチコミを結びつける: ITpro EXPO バーチャル」 ~講演資料はこちら~
LocoStickerを利用して、緯度経度ではなくてイベント会場の地図にマッピングするという話。Twitterとか複数の情報源をから、会場の口コミを収集して、イベント地図のブース情報を結びつける。最近、セカイカメラさんとクウジットさんがイベント会場内という場でいろいろされていますが、新しいマネタイズの一つの方法かもしれませんね。





さて、最後は私、上田による
ジオどす 京都市の住所専用解析・検索エンジン」 ~講演資料はこちら~
普段は位置情報ロカポの上田を名乗っておりますが、ここ1年くらいは「ジオどす」というサービスに注力しています。
京都市内で広く使われている「通り名」住所、実は郵便の住所ではないので、各種「ジオ」なサービスでは扱えません、という話をしました。通り名のバリエーションの豊かさ、京都の地名の面白さが伝わったらいいなと思いつつ、エンターテイメントになるプレゼンを試みました。楽しんで頂けたかな。せっかく「ジオ」な人が集まっているので、初めに「京都の住所で苦労した経験のある方?」と会場に聞いてみたところ、8割くらい手が挙がってびっくり。ジオどす、もっと宣伝しないと!


さて、時間が15分オーバーで、なんとか全講演が終了。懇親会ランチのスタート時間に食い込んでいるので、さっさと閉会の挨拶をさせて頂き、徒歩一分の懇親会会場へ大移動して頂きました。会場となった6Fにはフードコートがあります。ここのフードコート「PIER6」が貸切のパーティーが可能で、フードコートの一角を仕切って貸切状態にできます。この建物には飲食店が少なく、いつも昼食に困ることもあって、懇親会には最適と、ここに決定。

実は、申し込みサイトでは16名しか懇親会にお申し込みいただいておらず、会場で盛んに勧誘させて頂きました。その結果、なんと35名の方が懇親会に来て頂きました!!どうもありがとうございました!!!

懇親会は特に乾杯等の挨拶もしなかったのですが(すみません)、私が会場の撤収を終わって到着したとき、すでに盛んな交流が始まっていました。ちょっと料理が少なかった。これは私に不手際でした。和田さんの機転で料理を追加、ちょどよくなりました。和田さん、ありがとうございました。

懇親会は12:00-13:00予定でしたが、FOSS4Gのプログラムが12:45から始まることもあり、割と短時間で食べて、喋って、交流して、とあっという間に終わってしまいましたが、ランチ交流会としてもうまくいったと思います。


今日になって、お誘いしていた多数の人から「ごめんなさい、行きたかったのが体調が悪くて行けませんでした」というご連絡を頂きました。大阪は風邪&インフルエンザがダブルで流行っているようですが、これが無かったら、もっと大勢の人が来たかも!!来年が楽しみです。

ともあれ、なんとか無事に第二回ジオメディアサミット西日本が終了しました。楽しかったなあ。
運営委員の和田さん、福居さん、関さん、どうもお疲れ様でした。
それとOSGeoの森さん、林さん、ご支援、どうもありがとうございました。

※写真が無いものは、入手次第アップします。

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