2008/01/30

ロカポーター誕生の記録(7)

7.(データ途中)可変精度のアイデア

ロカポータの一番前面に出したい特徴として、精度の途中可変能力がある。
仕組みは追々説明させていただくが、これによって、いろいろな精度のデータを混在させることが可能になる。これは他の圧縮技術ではあまり見かけないが、どうでしょうか?

一番に思いつくのは、マップマッチング技術(NI-Lab. さんのサイトより)との相性。マップマッチング技術を使えば、経路情報に多少の誤差があっても、ぴったり道路に合わせて修正することが出来る。それを見越して経路情報はかなり荒い精度に落とし、情報量を減らすことができる。

同時に、出発地点、目的地、経由地点(お店)などはピンポイント情報にすることにより、精度を損なわずにデータを混ぜることができる。

たとえば、高速と一般道が平行している道路で、どちらか判別がつき難い程度に情報量を落としても、料金所の場所を経由地点としてピンポイントで表すことで、高速を利用することが表現できる。ロカポーターでは、エンコードした際にどの精度でエンコードしたかの情報も保存できるので、あとから「このデータは精度が粗いから重要度は低い」「経路の中でここだけピンポイント精度にしてあるのは、重要な場所である」というように、解釈することが可能です。

海外旅行の経路+立ち寄ったお店、写真をとった場所、あの公園のあの銅像!などにも使えます。

保存精度を選ぶことで、データを削って効率を稼ぐ(ある意味、非可逆圧縮)ことと、本当に精度を保ちたい場所(可逆圧縮)を自由に混在させることができる。


実は、この可変精度(というか混在精度)のアイデアを思いついたのは、年が明けてから。白状してしまうと、ジオメディア2008新年会ライトニング・トークをさせてもらうことになり、プレゼンの原稿を考えないと、、、と思っている時に急に思いついたものです。正月休みも一部返上で働いていた帰宅中の電車の中でした。

それまで、実は軽量アルゴリズムの「ロカポ圧縮Light版(現ロカポーター)」と、いろんな情報圧縮理論を組み合わせて圧縮効率を追求する「ロカポ圧縮Max版」の二本立てでいこうと思っていました。プレゼンも二本を紹介する内容でした。
でもこの可変精度ができることで、Light版の地位がいきなりアップ!。
さらに、これによって「サービス間連携ツール」としての利便性が格段にアップすることに気づく。

逆にMax版は可変精度が出来ないので、圧縮技術としては良いかもしれないが、サービス関連携にはあまりメリットがすくなさそうになり、開発を中止することにしました。それに、単なる圧縮効率の追求だけなら、頭のいい人がちょっと考えればすぐによりよい物が作れると思いますし。というわけで、可変精度で必要なところだけ可逆圧縮、どうでもいいところは非可逆圧縮にできる Light版一本でのデビュー決定!プレゼンも作り直し!

これがジオメディア2008新年会のお披露目発表の前夜23時ごろ。そのまま徹夜でやっつけのプレゼンを作って、東京へ移動!なんと余裕のないスケジュール!

ライトニング・トークの後、ずっとロカポ圧縮の相談にのっていただいていたここギコ!さんから「可変精度のことは初めて聞きました!」と驚かれましたが、それもそのはず。思いついてからほんの数日しか経ってないのですから。。。。

実際の利用場面においては、そこそこの経路情報でも結構な大きさのテキストデータになってしまうと思います。しかし、この可変精度の特性と、マップマッチングを前提にしたデータ量の間引きの組み合わせによって、ロカポーターは位置情報ポータビリティーの現実的な手段になると確信しています。

続く。

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