2005/10/15

ロカポが目指す「使いやすさ」(ロカポ誕生の記録:4)

ロカポが目指すべき使い安さをはっきりさせる必要が出てきた。
まずは元となる緯度経度のメリット、デメリットを考えることが必要であろう。デメリットはもちろん、「長い」ので人間が扱いにくいことである。そのためにいろいろなジオコードが開発されているわけであるが、メリットも大きい。
メリットは
・ 任意の精度で記述できる
・ 全世界で使用できる
・ 数字が大きくなるにつれて北(北緯の場合)や東(東経の場合)に移動するので、二点間の緯度経度から東西南北の位置関係が直感的に分かる。
・ 値の変化と位置の変化が連続的である
・ 電子的な計算手段がなくても、緯度経度と紙の地図だけで位置が特定できる
逆にデメリットは
・ データが緯度と経度の二つになる
・ 10進法で表しているので精度を上げると表示桁数が長くなる
・ フォーマットが自由である(少数点つき度、整数の度+少数点つき分、整数の度、分および少数点つきの秒、ラジアンによる表記、など)
・ 様々な測地系が混在し、緯度経度だけではどの測地系での緯度経度かわかりにくい

このように緯度経度本来のメリットを並べてみると、各種ジオコードは「表示桁数を短くしている」が、逆にメリットのほとんどを犠牲にしていることが分かる。
例えばデンソーのマップコードは、マス目の境界をまたぐとコードががらりと変わり、実際の場所とコードの値の連続性が薄い部分が存在する。また基準点のデータとデコードするロジックを動かすPCなどが必要だ。

当時、私はレジャーにおける遭難時の通報取次ぎサービスのような事業を始めようと考えていた。ワムネットサービスの海ざんまい・山ざんまいのようなサービスである。
遭難や災害などの緊急時に、デコーダがないと場所が分からないようなコードでは不便である。したがって、電子的な計算手段がなくても、最低電卓があればデコードできるようにしたかった。また、メールなどのデジタルな電子的通信手段が使えない場合、つまり無線、トランシーバー、電話など、音声による伝達しか有効でない場合でも使いやすいように、特に音声による伝達ミスを避けたかった。
また捜索する状況を考えると、次々に入ってくる位置情報(コード)について、コードのままある程度直感的に位置関係を把握できることが望ましいが、値と場所の不連続面があるコードでは、これが難しい。

そこでロカポ開発にあたり、条件としたのは次の条件である。
1. 電卓があればデコードできること
2. 人間が音声で伝達をしやすい(読みやすい、言いやすい、聞き取りやすい)こと
3. 全世界で使用可能なこと
4. 十分な精度(できれば1メートル以内)を確保すること
5. コードの値と実際の地域の関連性が直感的に分かること


ロカポにはかなり厳しい条件をつけた。ここで他のジオコードはどのようにしているのか、調べてみる。次回、他のジオコードを紹介する。
続く.

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